シナリオに込めた想い

「はみがきあーん」のシナリオは、原作者である図書館司書の荒仲けいと、みどりの杜歯科クリニックの歯科医師である宮田敬史/宮田滋子の間で、何度も議論を重ねながら作成しました。このシナリオには「子供の歯磨きの悩みを解決したい」想いが込められています。

シナリオ作成時のやり取りを、ここに一部ご紹介します。

〇宮田敬史
多くの子供、親を見てきて、仕上げ磨きに前向きになれない理由は、親自身が歯に後ろめたさがあったり、自信がないことが多い。誰でも分かっている「歯をみががないといけない」が何故こんなにできないのか、という課題の裏は非常に根深いトラウマみたいなものがあります。

日々の臨床での親子へのアプローチ方法は人により様々な手法を使っていますが、まずは、親からの「こわい、痛い」というイメージの払拭、そして自己の感覚で気持ちいい、親の愛を感じ、子供が歯に自信を持っていく。いつもダメだった子供ができるようになる瞬間は自信だと思ってます。

この絵本に期待することは、歯の知識を与えるものでは無くて、子供のやる気を引き出す、歯磨きがやりたくなるモチベーションを上げることにあると思っています。いろんな想いを込めてます。

歯磨き、こわいよねー、恐る恐る、という共感で終わるより、いつもうまくできない歯磨きを、こういうふうにやってみるのもいいかも、という提案の本にしたい。

〇荒仲けい
こわい、痛いのフレーズを使いたくないのは企図としてはわかりますが、

こわいものではない
=こわいという先入観の払拭
=こわいと思っている大人の登場を経ないと、その払拭ができないと思いました。
フタをするだけでは、無いことにはならないのです。

大人目線で読んだ時に「このワガママ坊主(自分の子を思いながら)に棒を持たせて親の口につっこませる…だと?」という「こわいよう」があります。お父さんも同じ気持ちを匂わせていて、だからこそ側を離れないのです。そして、子もはみがきを受けるとき同じ気持ちを持っているかなと思い、同調させ、同時に払拭をはかりました。

〇宮田滋子
怖いというのは大人が植付けた表現です。子供が嫌がる理由の根本は自分が今やりたい事が歯磨きではない、ということです。別の事をしたいのに歯磨きやらなくちゃいけない、それに抵抗している。あるいは、何やってるんだろうという未知のモノへの好奇心。ドキドキ感。そこに怖い、という大人の表現が刷り込まれます。子供のための絵本であるなら怖いというワードは必要ないかと思います。

恐怖を最初に植付けてモチベーションを上げていくやり方もありますが、人はマイナスイメージの言葉に捕らわれやすい。この感覚を怖い、というんだな、と覚えていくのです。

歯で苦労した親の子供ほど仕上げに手こずる傾向があります。子供に歯ブラシされるのがちょっと怖いというお母さんの怖い気持ちは、ドキドキ、、というところの表現で十分かと思いました。

2.3歳までの子は特に快か不快か、やりたいかやりたくないかで基本判断します。理論は関係ない。同じ行動でも、義務的か、遊びかで気持ちが変わる。そして終わった後の親の喜ぶ顔をみたら、また喜んでもらいたいと思う。

親が仕上げ大変!と言っていたら歯ブラシさせまい、と余計に思うでしょうね。ニコニコじゅんばんこに歯ブラシ、私はそこに最も小さい社会の平和を感じます。ベタかもしれませんが。

 

〇宮田敬史
口の中を覗かないで、直接子供の歯を見ると、とても小さく、磨く面積がほとんどない事がわかります。冷静に見ると、なんで(てこずる、時間がかかる)のかわからないくらいです。それをペーパークラフトで、原寸大でわかれば、歯の掃除は簡単と認識できるのではないかと期待しています。

〇荒仲けい
わかります。自分のはみがきに比べると、平たいしスキマも大きいし本数少ないし、気楽です。0才から1.2本ずつ増えていって、徐々に課題が増えてるのがゆるやかな忍者の修行のようです。

 

〇宮田敬史
最近、犬の歯磨きをしますが、子供に比べて、言うことを聞かせられません。それでも、子犬の時からやっていると、理屈抜きにできるようになっています。できるだけ、月齢の早い時期から、習慣的にやっている事が大切かと思います。

歯磨きを、嫌がる理由は、めんどくさい の一言だと思います。それに、いろんな理由をつけているだけが、真実だと思います。それを克服するアイテム、アイデア、テクニック、が、みんな興味ある事だと思うと、何を提供したらいいかが分かる。

そして完成したシナリオ案の動画はこちらです。こちらを原作に絵本を作成します。

絵本中の「はみがきうた」は「The Mode」が作曲します。
The Modeは、府中市在住のジャズピアニスト「Rinko Ueda」とヴォーカリスト「Atsuno Miyajima」のデュオです。
The Modeのミュージックビデオ「アダムとリンゴ」をご紹介します。

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